お出かけ日記(2023-12) 金沢ふらっとバス EV実証運行

金沢市役所第二本庁舎の前を走るバス(F8 series4-Mini Bus)

 

 

概要

 今回のものは12月上旬にかけて、金沢市を走るコミュニティバス「ふらっとバス」のEVバスでの実証運行があったので乗りに行ってきた話です。間違っている点などがございましたらTwitterのほうまでご連絡ください、早めに修正します。

また、読みやすさの観点からパソコンで読むことをおすすめいたします。

 

バスについて

 今回のバスはEV モーターズ・ジャパンから金沢市へ貸し出されたバスとなっているらしいです。名称はF8 series4-Mini Busとなっておりシングルドア仕様とダブルドア仕様の2つがあると会社のホームページには書いてあります。

シングルドアとダブルドアの2つの仕様がありますが、どちらもポンチョのロングタイプと近い全長とホイールベースでありポンチョのショートタイプに相当するタイプは今のところありません。

 

ここからは電気関連について説明します。

モーターを動かすために使うインバータは自社で開発した「アクティブインバータ」というものを使っており、従来のものよりも効率が良くバッテリーの劣化が防止できるとホームページに書かれています。

evm-j.com

 おそらく素子は最近の電気自動車のインバータと同じくSiC MOSFETじゃないかなとは思うんですがわからずでした。乗っていたEV モーターズ・ジャパンの人は営業さんっぽいのでそこまで知らないでしょうし、HPに載せてないような内容を教えてくれるとも思えませんが...

(余談ですがこの前北鉄の石川線の人に聞いてみたのですが、昔の設計のIGBTは製造が少なくなっており調達が難しくなってきているらしいです。また車は加減速をする機会が多いからSiC MOSFETの方が有利でもあるそうなのでIGBTはあり得ないかなとは思いました。)

 

 今回乗ったダブルドア仕様は座席数は10人(後部に4人、前向いて左は1人、右は5人)で乗車定員は29人となっています。なお公式ホームページにある動画には座席数が増やされた仕様も存在するようなのでまた変わってくると思います。

 

 バッテリーは114kWhあるとのことで、充電器が120kWのものだと約1時間、40kWのものだと約4時間充電にかかるらしいです。

 金沢に今回持ってきたポータブルの7kWのものだと夜間に満充電して走行したら運行終了時には残量が60%くらいになり計算上は200km~220kmほど走れるらしいです。

乗車しての感想

 今回は菊川ルートでの運行に乗車することにしました。理由は激しい坂の上り下りがある路線なので低速からトルクがでるEVバスに乗ると現在のポンチョとどれくらい変わるのか気になっていたからです。

 乗車してまず気になったこととしては、座れる人がポンチョより少ないなと言うことでした。

EVバスの車内の様子-1

 後部はポンチョがアームレストがあり4人座るのが厳しいことがあるのに対して4人で座ることが容易な座席になっているのですが、

EVバスの車内の様子-2

 

 前向きの座席になっているうえにある程度の足のスペースがあるので、ポンチョが最大14人座れるのに対してEVバスでは10人しか座れないです。

 お年寄りも結構乗っているふらっとバスでは着席定員が少ないのは少し不安な要素でもあります。ただ、公式サイト内の動画では進行方向右側の座席が2列のものが写っているのでそこはオプション次第だと思います。

 走っているときの印象は「とても静かだな。」という印象です。停車時はほとんど音がしないし急な坂での加速時も比較的静かだなという印象です。

 うるささの比較程度にしかならないですが、スマホの騒音計で計ったところ20km/h台まででの走行時に大体65dbくらいまでになりました。これに対してポンチョでは加速時に常に70dbを超えるようなうるささだったのでとても静かでした。

 ここまで静かだと過去のハイブリット車のように静かすぎることが問題になってしまうので対策が考えられているようです。例えば乗った際はエアコンのコンプレッサーをうるさめで動かしていたのですが、コンプレッサーが動いているときは75db~80dbくらいとなっており今度はうるさすぎることが問題になっていました。EV モーターズ・ジャパンの方曰く20~30km/hで走行するときにメロディを流すことを検討しているようです。

 乗り心地はポンチョよりエンジンの振動がない分もあり、路面に追従するような動き方をしており総合的にはよかったです。ただ、路面からの振動はポンチョより揺れがない分目立っていました。サスペンションはいろんなバスの中では中間くらいだとEV モーターズ・ジャパンの担当者の人は言っていました。

バスの中の降車ボタンとUSB

 またこのバスの中には充電用のUSBとコンセントがあり、車内でスマホを充電したり災害があった場所にバスを持っていき電源を供給したりできます。これは普段利用するときにもとても便利だと思います。

 座り心地に関しては自分にとってはちょうどいい硬さでした。ある程度硬いけど体が支持されていて疲れにくいと感じました。N700Sのような感じかなとは思います。(ただ、N700Sの座席はあまり支持されていないのを見るとどうなんだろうとは思う。)

その他

 車両価格では補助金の有無でも変わるようですが、補助金があればポンチョより安くはなるらしいです。

 今回は寒い時期での実験をすることでバッテリーの様子を見ることも目的だったそうですが、あまり寒くはならなかったと担当者の方が残念がっていたところもありました。

 金沢までは途中新門司港から船で大阪まで持っていったそうです。個人的にあの航路はお気に入りなので乗ってみると楽しいと思います。

 今のふらっとバスの台数は全体で12台と言ってました(バスが好きな皆様ならご存じかと思いますがおそらくCNG車が減ったと思われます)。

 このバスを作っているEV モーターズ・ジャパンという会社についてですが、もともと社長さんは今の日本製鉄でバッテリー関連の仕事をしていたらしいです。福島でバッテリーの研究をしていたものの、地元の方から「電気を運ぶ方法を考えてほしい」と言われてバッテリーEVのバスを考えたらしいです。今は中国で作っておりOEMとなっており並行輸入となっているらしいですが、今は北九州に組み立てる工場を作っているらしいです。(ここに関しては情報が古いかもしれません)

まとめ

 今回は12月に金沢市内でふらっとバスのルートを使ったEVのコミュニティバスの実証運行に乗ってきました。ポンチョと比べると乗り心地もよく静かだったので他の参加した方も「よかった」と言っており、導入されたら多くの人に利用されると思います。また、福井でも同型と思われるバスによる市内中心部のコミュニティバスの運行が行われており、みなさまも乗ってみると新しい経験ができて面白いと思います。

 では今回はここまでとします。読んで下さりありがとうございました。